情報メディア学科の梶研吾先生より寄贈された
サブカルチュアコレクションの中から、
先生が制作に携わった特撮作品を中心とした
フィギュアの一部をご紹介します。
(解題は全て梶先生によるものです)
〈SF特撮ドラマの個人史〉
最初に脚本全般に関わったSF特撮ドラマが、『エコエコアザラク』シーズン2である。(正確には、深夜番組帯の美少女ホラードラマ)
途中、実際の事件による影響から放送中止というトラブルもあったが、後にイベント上映が行われ、その人気を受けて劇場版も制作された。
『ウルトラマンコスモス』は、初めて参加した円谷プロ作品である。
この時の縁から、『ウルトラマンマックス』では、脚本だけでなく、監督も兼任することとなった。(現在、立東社から『ウルトラマンマックス 15年目の証言録』が発売中)
『ウルトラマンマックス』において円谷プロ作品で初監督を務める際、監督起用の決め手になった作品がネットシネマ『マギー's犬Jr』である。
本作は、師である小池一夫先生の原案原作になるが、企画プロデューサーとして参加した『修羅雪姫』のリメイク版もまた小池原作である。
それぞれの作品は、不思議な因縁で繋がっており、
それもまた実にSF特撮的である。
(情報学部情報メディア学科 特任教授 梶研吾)
※3階Exhibition Roomは閉鎖中ですので以下の画像でお楽しみください。
【梶先生が携わった作品のフィギュア】
①~⑧ウルトラマンコスモス 2001年 脚本
『ウルトラマンコスモス』は、初めて「怪獣を倒さず、保護する」というコンセプトの下に登場したウルトラマンである。
怪獣に対する、ある種の”愛情”は、初代ウルトラマンからも見られたテーマの一つであり、それが動物保護や自然保護問題との高まりによる時代背景とも相俟って、このコンセプトに繋がった。
梶が、初めて参加したウルトラマンのシリーズであり、脚本家として数本を執筆している。
④春野ムサシ隊員
春野ムサシの通常バージョン。同作品のオンエア前に発売された限定バージョンも存在する。
⑤コスモプラック
主人公の春野ムサシがウルトラマンコスモスに変身する時に使用するアイテム。
⑨~㉒ウルトラマンマックス 2005年 設定・脚本・監督
『ウルトラマンマックス』は、メイン監督に平成『ガメラ』シリーズや『デスノート』の金子修介、ゲスト監督に『テラフォーマーズ』の三池崇史、ゲスト脚本家に『キルラキル』の中島かずき、『福家警部補の挨拶』の大倉崇裕などが参加、また「現代日本で最高の演技力を誇る」と云われる満島ひかりのドラマデビュー作でもある。梶は、個人的友人でもある中島氏と大倉氏を脚本家として招聘し、その脚本回の監督を務めた。
⑪ダッシュバード3号
ウルトラマンマックスと地球防衛チームDASHの戦闘機ダッシュバード。ちなみに梶は同作の設定、脚本、監督を務めた。
㉓~㉕ウルトラマンメビウス 2006年 監督
円谷プロ制作による『ウルトラマンメビウス』の関連商品各種。梶は、同作で、2本の監督を務めた。
主演のミライを演じた五十嵐隼士氏は先頃引退を表明したが、梶との最初の出会いはメビウスではなく、やはり梶が監督を務めた『ハツカレ』の撮影現場だった。
この『ハツカレ』には、水嶋ヒロ氏も出演していて、五十嵐氏と水嶋氏、共にその撮影現場からウルトラマンとライダーのオーディションに参加していたのも、よき思い出である。(2013年11月展示解題より)
㉖ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY 2008年 監督
ドラマ「ウルトラギャラクシー大怪獣バトルNEO」のキール星人グランデ。ウルトラシリーズ始まって以来のチャラい異星人と言われる。演じるのは、「仮面ライダー555」で海堂直也を演じた唐橋充氏。梶は、このグランデの初登場回での監督を務めた。唐橋充氏は、「ULTRASEVEN X」でウルトラシリーズに初参戦して以来の2度目の登板。
㉗~㉛ウルトラマンギンガ 2013年 監督・特技監督
従来までのウルトラマンシリーズが、基本的に、地球防衛軍的組織を設定し、そこに所属する隊員の一人がウルトラマンに変身するというパターンを踏襲してきたが、本作においては、初めて高校生の主人公が登場する。また、”ウルトライブ”によって、スパークドールと呼ばれる怪獣人形を使い、ウルトラマンだけではなく、怪獣や異星人にも変身できることが、大きな特色となっている。梶は、第1部完結編に当たる第5話と第6話の監督を担当し、ウルトラマンギンガとジャンキラーとの壮絶な殴り合いバトルを演出した。
また、ウルトラの父と母、ウルトラマンタロウの子供時代の”コタロウ”も登場する。
㉜修羅雪姫 2001年 企画プロデューサー
映画『修羅雪姫』の主役、鹿島雪。映画『修羅雪姫』は、梶芽衣子氏主演のものと釈由美子氏主演のものとがある。これは、釈由美子氏版のフィギュア。ちなみに、梶は同映画で企画プロデューサーを務めた。
㉝ガロ & 魔導輪ザルバ 2005年 脚本・シリーズ構成・監督
ドラマ「牙狼GARO」の牙狼、冴島鋼牙、ザルバ。同作品で梶は、シリーズ構成、脚本、監督を務めた。同作は、いくつものフィギュアが発売されているが、これは一番最初に作られたバージョンである。
㉞㉟Hinako Saeki : EKOEKO AZARAK 1997年 脚本
古賀新一先生原作のホラー漫画の金字塔「エコエコアザラク」。映画版では吉野公佳氏が演じたヒロインの黒井ミサを、テレビシリーズ、及び映画の第3弾では佐伯日菜子氏が演じた。フィギュアはその佐伯氏版のもの。梶は、テレビシリーズの第2シーズンより脚本監修として参加しているが、事実上、これが映像業界での初仕事となった。
【特撮・アニメ関連フィギュア】
㊱MASKED RIDER1 旧1号 桜島ver. : 仮面ライダー ライダーマスクディスプレイ 2007年(フィギュア制作年)
故・石ノ森章太郎が生み出した永遠不滅の等身大ヒーローの歴史的第1号。
今年(2016年3月)、その”第1号”本郷猛を演じた藤岡弘(現・藤岡弘、)が再び主演を張る映画『仮面ライダー1号』が制作公開された。(2016年4月展示解題より)
㊲仮面ライダーゾルダ : 仮面ライダー龍騎 (ライダー&モンスターシリーズ) 2002年
ゾルダに変身する弁護士の北岡秀一を演じた小田井涼平氏と梶とは、涼平氏が正式デビューする前からの友人。龍騎のオーディションに合格したという知らせは、涼平氏主演のショートムービーを撮影している現場で聞き、北岡秀一初登場回のオンエア日には、同氏と共にスタッフみんなで視聴した。以降、同氏には、梶が監督した「ウルトラマンマックス」「URTRA SEVEN X」にもゲスト出演してもらうことになる。
※小田井涼平氏は現在、ムード歌謡コーラスグループ”純烈”のメンバーとして活躍されています(注:図書館)
㊳LOBSTER ORPHNOCH (ロブスターオルフェノク) : 仮面ライダー555 2003年
仮面ライダーとオルフェノクとの戦いと葛藤を描いた『仮面ライダー555』における、フィメール変身キャラクターの代表格。
㊴[峰不二子] : ルパン三世 フィギュア バイク 2002年
ルパン三世ファーストシーズンの峰不二子とバイク。ファーストシーズンのエンディングで、シルエットで登場する峰不二子とバイクをフィギュア化したもの。
㊵GUNDAM 3D CLOCK 1 YEAR WAR IN 0079 : [機動戦士ガンダム] 制作年不明
もはや説明は不要。世界に誇る日本ロボットアニメの金字塔。そのモチーフは、SF界の巨匠、ロバート・A・ハインラインの『宇宙の戦士』というのも言わずもがな。
【梶研吾特任教授が携わった作品のポスター】
㊶Hinako Saeki : EKOEKOAZARAKⅢ MISA THE DARK ANGEL
㊷佐伯日菜子 : エコエコアザラクⅢ MISA THE DARK ANGEL 1997年 脚本・監修
古賀新一原作の同名漫画の劇場版第三作目にあたり佐伯日菜子主演シリーズの最終作となる
㊸及川奈央 , 白川裕二郎 : マギー's犬Jr. 2005年 漫画原作・脚本・監督
当時隆盛を誇っていたライブドアによるネットシネマの初期の一本である
※白川裕二郎氏は現在、ムード歌謡コーラスグループ”純烈”のメンバーとして活躍されています(注:図書館)
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